巻き爪の多くは足の親指に発生しますが、手の指が巻き爪になることもあります。深爪をしている、爪が薄い・割れやすいといった体質、爪の乾燥、ジェルネイルが手の指の巻き爪を引き起こす原因です。
この記事では手の爪が巻いてしまう原因を詳しく解説し、予防方法や改善方法について紹介しています。
手の爪が折れやすい方、二枚爪になりやすい方、ジェルネイルを長年継続されている方はどうぞ最後までご覧ください。
この記事の監修者:
巻き爪フットケア東千田町院 院長 文田 早織(ペディグラス認定メディカルトレーナー、同認定足爪補正士・鍼灸師)
もくじ
手の指も巻き爪になることはある?
足の指よりは少ないが巻き爪になることがある
巻き爪は主に足の指に発生する爪の症状ですが、まれに手の指にも発生することがあります。
手の指が巻き爪になる原因を以下に詳しく解説していきましょう。
手の爪が巻いてしまう原因は?
爪を切りすぎている(深爪・ショートネイル)
手の指が巻き爪になる原因は複数あります。まずは爪を切りすぎていることが原因の1つとして挙げられます。
爪を切る際に深爪にしている、ショートネイルを好んでいるという方は巻き爪になるリスクが高いでしょう。
深爪の状態から爪が伸びてくると、爪の端が皮膚に食い込みはじめることがあり、皮膚の圧迫によって爪が内側に巻き込むおそれが出てきます。
▶関連記事:巻き爪にしない!正しい足爪の切り方とおすすめの爪切り
爪が薄い、割れやすい体質
体質として爪が薄い、割れやすいという方も、手の指が巻き爪になるリスクをはらんでいます。
薄い爪は外からの圧迫や刺激に弱く、爪が巻く原因になります。
爪が乾燥している
爪の乾燥も手の指が巻きやすくなる原因です。爪は以下のような状態が続くと乾燥しやすくなります
- 水仕事で洗剤を使う
- コロナ禍で頻繁にアルコール消毒をするようになった
- 外に出る機会が多く紫外線を浴びる
- 空気自体が乾燥する冬場
洗剤やアルコール消毒液は、爪に必要な油分も落としてしまうため、爪が乾燥します。
意外なところでは、肌と同じように爪も紫外線によってダメージを受けるということでしょう。紫外線の影響で爪のバリア機能が低下し、水分が失われることで乾燥します。
また、空気自体が乾燥する冬場も爪が乾燥しやすくなるので注意が必要です。
ジェルネイルなどで爪に負荷がかかっている
ジェルネイルをはじめとするネイルも爪に負荷がかかり、手の巻き爪を引き起こす一因になり得ます。
特にジェルネイルは、塗る際のサンディング(爪表面のヤスリがけ)によって爪が薄くなったり、硬化したネイルジェルが爪を圧迫したり、爪が巻きやすい状態になる可能性があります。
▶関連記事:ジェルネイルも巻き爪の原因?ネイルをしながら治す方法はある?
手の指の巻き爪を予防するには?
手の指の巻き爪を予防するには、爪の長さと形、保湿などがポイントとなります。
爪の形・長さに気をつけて爪を切る
まずは、深爪やショートネイルにならないように、適切な爪の形と長さを維持することが重要です。
巻き爪になりにくい爪の形としては、「スクエアオフ」という、爪の両角を丸く落とした四角い形の爪が推奨されます。
爪の長さは、指の先端と同じ程度の長さとし、爪の先の白い部分(フリーエッジ)を少し残して切るようにしましょう。
指先をしっかり保湿する
巻き爪は乾燥が大敵です。指先をしっかり保湿することを習慣づけると良いでしょう。
手を洗った、水仕事をした、アルコール消毒をしたといった場合は、ハンドクリームやネイルオイルを用いて、指先を保湿します。
保湿効果が高まるハンドクリームの塗り方
ここで、より保湿効果が高まるハンドクリームの塗り方を紹介しましょう。
①手をきれいに洗う
ハンドクリームを塗る前に手をきれいに洗います。
②ハンドクリームを塗る前に化粧水で皮膚をやわらかくしておく
乾燥した指先にいきなりハンドクリームを塗っても十分な保湿効果が得られないことがあります。ハンドクリームを塗る前に、化粧水で指先の皮膚をやわらかくして、保湿しやすい環境をつくりましょう。
③ハンドクリームを手で温めてからマッサージするように塗る
ハンドクリームを手に取ったらすぐ塗るのではなく、手のひらでクリームを温めます。そのあと、クリームが爪にもいきわたるように、マッサージしながら塗り広げていきます。
④ハンドクリームを塗った後は手袋つける
指先の水分が逃げないように、ハンドクリームを塗った後は手袋をつけるとよいでしょう。
爪に良い栄養を摂取する
爪が弱くて割れやすいという方の巻き爪予防の手段として、爪に良い栄養を摂取することが挙げられるでしょう。
爪の形成には、以下の物質がかかわっています。
- ケラチン:爪の主体成分であるタンパク質
- ビタミン:ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンEなど
- ミネラル:亜鉛、鉄分、カルシウムなど
以上の栄養バランスが崩れると爪トラブルを起こしやすくなりますので、普段の食事などから意識的に栄養を摂取することが推奨されます。
爪に良い栄養が摂れる食材を紹介
以下に爪に良い栄養が摂れる食材を紹介しましょう。
栄養素 | 栄養素の働き | 食材 |
---|---|---|
タンパク質 | 爪の主体成分であるケラチンは、タンパク質を経口摂取することで作られていきます。 | 鶏肉、卵、牛肉、豚肉、魚、大豆、ブロッコリー など |
ビタミンA | ビタミンAは、ケラチンの形成に必要な栄養素であり、皮膚や粘膜を作り、肌の乾燥を防ぐ役割があります。 | レバー、バター、卵黄、ほうれん草、にんじん、うなぎ など |
ビタミンB2 | ビタミンB2は、細胞の成長を促進し、新陳代謝を活性化させることで、健康な爪を形成するのに大切な栄養素です。 | 果物(りんご、パパイヤ)、緑黄色野菜(にんじん、ほうれん草、アスパラガス)、レバー など |
ビタミンE | ビタミンEは血行をよくし、血中の酸素や栄養素を爪まで行き渡らせる効果があります。血色の良い健康的なピンク色の爪は、ビタミンEによってもたらされます。 | ナッツ類(アーモンド、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ)、かぼちゃ、アボカド、大豆、ほうれん草、しそ(葉) など |
亜鉛 | 味覚にかかわる栄養素として有名な亜鉛は、新しい細胞の造成やタンパク質の合成に必要不可欠なミネラル成分の1種です。爪に関しても生成を促進する重要な役割があります。 | かき(生)、豚レバー、魚介類、乾物(煮干し、かつお節、焼きのり、乾燥わかめ)、ココア、ごま など |
鉄分 | 鉄分も爪の生育に必要なミネラル成分の1種です。鉄分が不足すると爪が割れたり変形したりするといわれています。 | レバー(豚・鶏)、しじみ、牛肉(もも・赤身)、まぐろの赤身、ひじき、ほうれん草、小松菜、大豆 など |
カルシウム | 爪に含まれるカルシウム成分は500~700μg/g程度といわれており、骨に含まれる量(30mg/g程度)と比較するとごくわずか。しかし、爪の形成には欠かせない成分であり、美しい爪を維持したい場合には摂取しておきたい栄養素です。 | 牛乳、乳製品、骨ごと食べられる小魚(ししゃも、ワカサギなど)、大豆製品、小松菜、チンゲン菜、ひじき など |
参考文献:
林 正利・大平 修二・松井 寿夫,ヒト爪中の微量元素濃度,日衛誌(Jpn.J.Hyg.),第41巻,第5号,1986年12月
江波戸 擧秀・伊藤 弘一,ヒト爪中の元素含有量(第2報),東京衛研年報,52,189-193,2001
正木 恭介・佐藤 央苗,女子大学生におけるカルシウム強化食品の継続摂取と手爪カルシウム濃度との関係,栄養学雑誌,Vol.62,No.5 ,285-291, 2004
甲子園栗木皮膚科クリニック/栄養ミニ知識
手の指が巻き爪に……どう改善する?
手の指が巻き爪になってしまった場合、足の指同様に巻き爪のケアをしていく必要があります。
巻き爪を放置すると、さらに爪の巻きがきつくなったり、爪が皮膚に食い込み炎症や化膿を起こしたりするおそれも。早めにケアを開始しましょう。
軽度の巻きであればセルフケアをしてみる
巻き爪のカーブが軽度の状態であれば、まずセルフケアで様子を見てみるのも1つの手段です。
比較的実践しやすい巻き爪のセルフケアには、コットンパッキング(爪の両先端にコットンを挟む)やテーピングがあります。
セルフケアで改善しない場合は巻き爪ケア専門店に相談する
セルフケアで改善しない場合は、巻き爪ケア専門店に相談してみましょう。
巻き爪ケア専門店における巻き爪補正の施術は、ハサミやメスなどで爪を切り取ったり、薬剤を使用したりしないため、痛みがほとんどなく安全な施術をおこないます。
セラピストプラネットの巻き爪フットケア店は
手の指の巻き爪補正に対応!
セラピストプラネットの巻き爪フットケア店では、手の指の巻き爪補正にも対応。「ペディグラス」という特許を取得した薄型の透明プレートを用いた巻き爪補正をおこないます。
ワイヤーやクリップなどの補正器具と違い、補正器具を装着していてもほとんど目立たないのがペディグラスの特徴です。
手の指は視界に入りやすい部位です。周囲の人達に巻き爪補正の状態が見られてしまうのは困る……という方でも、当院の施術であれば安心です。
また、プレートを装着することで、手を使う仕事や家事に影響が出るということもありません。
ペディグラスの認定資格を有した施術者が在籍していますので、手の指の巻き爪でお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。