陥入爪の肉芽は自分で改善できる?痛い・腫れる症状の対処法を解説!

「爪の横にできた赤い肉芽、痛くてどうしよう…」「歩くたびにズキズキして、靴を履くのもつらい」などの陥入爪(かんにゅうそう)による肉芽の激しい痛みにお悩みではありませんか?
この記事では、陥入爪による肉芽の原因から、自分でできる対処法、医療機関などでの改善方法などについて詳しく解説します。
この記事の監修者:
巻き爪フットケア東千田町院 院長 文田 早織(ペディグラス認定メディカルトレーナー、同認定足爪補正士・鍼灸師)
もくじ
陥入爪による肉芽はどんな状態?
陥入爪によってできた肉芽の対処法を知る前に、まずは自分の足がどのような状態なのかを正しく知ることが大切です。なぜ爪の横に痛々しい肉芽ができてしまうのか、そのメカニズムを知って、現在の症状をチェックしてみましょう。
陥入爪と肉芽が発生するメカニズム
陥入爪とは、爪の角が皮膚に食い込んで炎症を起こした状態のことです。深爪や足に合わない靴を履き続けることが大きな原因となります。皮膚に食い込んだ爪が刺激となり、傷ついた部分を体が修復していこうとする過程で、組織が過剰に作られて盛り上がったものが「肉芽」です。肉芽は毛細血管が豊富なため赤く見え、少しの刺激で出血しやすいという特徴があります。
【危険度チェック】こんな症状は要注意!
以下の症状に当てはまる場合は、セルフケアで様子を見るのではなく、すぐに医療機関や当院のようなフットケアの専門院にご相談いただくことをおすすめします。
放置すると症状が悪化し、改善がより困難になる可能性があります。
・ズキズキする痛みが強く、歩くのが困難→危険度:高
・患部から黄色い膿が出て、嫌な臭いがする→危険度:高
・患部が熱を持っていて、赤みと腫れがひどい→危険度:高
・肉芽がどんどん大きくなっている→危険度:中
・糖尿病などの持病がある→危険度:高
痛みを和らげるセルフケアとやってはいけないNG対処法
強い痛みがある場合、病院に行くまでの間だけでもなんとかしたいと思うのは当然です。
ここでは、ご自宅で安全にできる対処法と、症状を悪化させる可能性のある危険な対処法の両方をご紹介します。
正しいケア①:テーピングで爪と皮膚のすき間を作る
テーピングは、食い込んでいる爪と皮膚の間に物理的なすき間を作り、圧迫を減らして痛みを和らげる方法です。
- 患部を石鹸で優しく洗い、水分をよく拭き取って乾燥させます。
- 伸縮性のあるテープ(幅1cm程度)を5cmほどの長さに切ります。
- テープの一端を、爪が食い込んでいる部分の皮膚にしっかりと貼り付けます。
- 皮膚を爪から離すように、ぐっと引っ張りながら指に巻きつけ、テープのもう一端を固定します。
- 痛みが増したり、血行が悪くなったりしないか確認し、毎日新しいテープに貼り替えましょう。
正しいケア②:コットンパッキングで爪の食い込みを防ぐ
コットンパッキングは、爪と皮膚の間にコットンを小さく詰めて、爪が直接皮膚に当たるのを防ぐ方法です。
- 手をきれいに洗い、消毒したピンセットと、米粒大に丸めた清潔なコットンを用意します。
- 痛くない範囲で、爪が食い込んでいる先端部分を少しだけ持ち上げます。
- 爪と皮膚の間に、ピンセットを使ってコットンを優しく挿入します。
- 深く詰めすぎるとかえって痛むことがあるため、無理のない範囲で行ってください。
- 入浴後など、皮膚が柔らかくなっている時に行うのがおすすめです。コットンは毎日交換し、清潔を保ちましょう。
絶対にやめて!自分で肉芽を切る・爪を深く切り込む危険性
痛みや見た目から、自分で肉芽をハサミで切り取ったり、食い込んでいる爪をさらに深く切ったりしたくなるかもしれません。しかし、これらの行為は絶対にやめてください。
不衛生な器具で行うと、傷口から細菌が入り込み、感染症を悪化させる危険性が非常に高いからです。また、爪を深く切り込む「深爪」は、陥入爪の最大の原因であり、一時的に楽になっても爪が伸びる過程でさらに深く食い込み、症状を悪化させる悪循環に陥ります。
市販薬で治せる?ゲンタシン・リンデロン・キズパワーパッドの効果は?
「病院に行く時間がないから、とりあえず市販薬で…」と考える方も多いでしょう。しかし、薬の選択を間違えると、効果がないばかりか、かえって症状を悪化させてしまうこともあります。ここでは、よく名前が挙がる薬品や製品の効果についてご紹介します。
ゲンタシン軟膏やリンデロンは肉芽に効く?
ゲンタシン軟膏(抗生物質)やリンデロン(ステロイド)は、細菌の増殖を抑えたり、炎症を鎮めたりする効果があるため、肉芽改善のために医師から処方されることがあります。しかし、これらは医療用医薬品であり、ドラッグストアでは購入できません。
また、これらの薬はあくまで症状を緩和するためのもので、肉芽の根本原因である「爪の食い込み」を解消するわけではありません。
医師の検査なしに手持ちの薬を使用することは、副作用のリスクもあり危険ですので絶対にやめましょう
キズパワーパッドを貼るのは逆効果になることも
キズパワーパッドに代表される湿潤療法パッドは、傷口を密閉して潤いを保ち、きれいにすることを目的とした製品です。
しかし、陥入爪の肉芽のように、すでに細菌感染を起こしている、あるいはその疑いがある傷に使用するのは避けましょう。
密閉された環境は細菌にとって絶好の繁殖場所となり、かえって感染を悪化させてしまう可能性があります。膿や浸出液が多い場合は特に注意が必要で、自己判断での使用は避けるべきです。
もう繰り返さない!陥入爪と肉芽の再発を防ぐ3つの習慣
施術を終えた後、何よりも大切なのは「再発させない」ことです。
陥入爪は、原因となる生活習慣を改めない限り、何度でも繰り返す可能性があります。
ここでは、今日から実践できる3つの簡単な習慣をご紹介します。
習慣①正しい爪の切り方「スクエアオフ」で切る
陥入爪の最も大きな原因は、爪の角を深く切りすぎる「深爪」です。
爪は指の先端と同じくらいの長さを目安に、角を切り落とさず、まっすぐに切る「スクエアオフ」を心掛けましょう。
- ポイント1:爪はまっすぐに切る(スクエアカット)。
- ポイント2:両端の角はやすりで少しだけ丸め、引っかからないように整える。
- ポイント3::指の先端と同じか、少し長いくらいの長さを保つ。
お風呂上がりなど、爪が柔らかくなっている時に切るのがおすすめです。
習慣②足に負担をかけない靴の選び方・履き方
つま先が細い靴やヒールの高い靴は、指先を圧迫し、陥入爪の直接的な原因となります。
靴を選ぶ際は、デザインだけでなく、ご自身の足に合っているかを最優先に考えましょう。
- ポイント1:つま先に1cm程度の余裕があり、指が自由に動かせる靴を選ぶ。
- ポイント2:足の幅が最も広い部分が、靴の最も幅の広い部分と合っているか確認する。
- ポイント3:靴ひもやストラップで足の甲をしっかり固定できるデザインを選ぶ。
習慣③足を清潔に保つ毎日のフットケア
足を清潔に保つことは、細菌感染を防ぎ、健康な爪を育むための基本です。
毎日のお風呂で、指の間まで丁寧に洗いましょう。
- ポイント1:殺菌成分のある石鹸で、足の指一本一本、指の間まで優しく洗う。
- ポイント2:入浴後は、タオルで水分をしっかり拭き取る。特に指の間は湿気が残りやすいので注意する。
- ポイント3:通気性の良い綿や麻などの素材の靴下を選び、足を蒸れさせないようにする。
もう繰り返さない!陥入爪と肉芽の再発を防ぐ3つの習慣
この記事では、陥入爪による肉芽の原因から、自分でできる対処法、医療機関などでの改善方法などについて詳しくご紹介しました。
陥入爪によってできる痛い肉芽は、放置しても自然に改善されることは少なく、むしろ悪化する可能性が高い症状です。
この記事ではセルフケアも含めてご紹介しましたが、あくまで一時的な対処法です。専門機関で改善した方がすぐに良くなります。
セラピストプラネットでは、巻き爪施術をはじめとする専門資格を持った先生が各院に在籍しています。
もし現在、広島周辺で陥入爪による肉芽にお悩みの方はセラピストプラネットにお気軽にご相談ください!