緑膿菌って何?爪が緑に変わる原因と治し方|ネイルはいつから再開できる?

ネイルオフしたら爪が緑色に…。この症状は“グリーンネイルと呼ばれ、緑膿菌という細菌が傷んだ爪に入り込むことで起こる日和見感染の一種です。カビとの違いがわからず、「このまま放置しても大丈夫?」「もうネイルはできないの?」と不安になる方も少なくありません。本記事ではグリーンネイルの原因や見分け方、医療期間に相談するタイミング、そして再びネイルを楽しむために知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。

この記事の監修者:
巻き爪フットケア東千田町院 院長 文田 早織(ペディグラス認定メディカルトレーナー、同認定足爪補正士・鍼灸師)

爪が変色する緑膿菌感染(緑色爪症候群)とは

緑膿菌感染とは、緑膿菌(りょくのうきん)という細菌が原因で起こる感染症の一種です。湿気の多い環境を好むこの細菌は、爪と皮膚のすき間などに入り込みやすく、感染すると爪が緑色から黒緑色に変色します。この状態は「グリーンネイル」とも呼ばれています。

ジェルネイルやスカルプチュアネイルをしている最中やネイルオフ直後など、爪の内部に水分が残りやすい状況で発症しやすく、ネイルを楽しむ人に比較的多く見られる症状です。

気づきにくい自覚症状|健康な人でも感染する

緑膿菌による爪の感染は、初期には痛みやかゆみといったはっきりした症状がほとんど現れません。日常生活に支障が出にくいため、異変に気づかずに放置してしまう人も少なくありません。

変色は爪の先端から始まり、進行すると色が濃くなったり、広がったりすることがあります。それでも自覚症状が乏しいため、感染が進行して爪が浮いたり剥がれたりするまで気づかないケースもあります。

また、緑膿菌は免疫力が低下している人だけではありません。健康な人の爪でも傷んだ爪に雑菌が付着すれば誰でも発症する可能性があります。

爪カビとの違い|見た目や症状での見分け方

カビによる爪白癬と緑膿菌感染は、見た目がよく似ているため混同されがち。しかし、この二つは原因となる微生物が異なり、症状や対処法もまったく異なります。

緑膿菌感染の場合、爪が鮮やかな緑色や黒っぽい緑色に変わりますが、爪の厚みや形にはあまり変化が見られません。一方、爪カビ(白癬菌)が原因の場合は爪が白っぽく濁ったり黄色く変色したりすると、次第に厚くなってボロボロと崩れるようになります。爪の形も不規則になり、進行すると見た目に大きな変化が出てくるのが特徴です。

緑膿菌感染は「色の変化が主で、爪の構造は比較的保たれている」のに対し、爪カビは「変色とともに爪の質感や形も崩れる」という違いがあります。ただし、両方の感染が同時に起こるケースも稀にあるため、見た目だけで判断するのは危険です。

感染リスクの有無| 人にうつる可能性は低い

緑膿菌感染は「感染症」という言葉から、人にうつるのではと心配されがちですが、通常の生活の中で他人にうつるリスクは非常に低いとされています。

緑膿菌は自然界にも広く存在する細菌で、水まわりや土壌、湿った場所などに常在しています。人の皮膚や爪に付着することはあっても、健康な皮膚や爪であれば、ただちに感染することはありません。

また、緑膿菌は「日和見感染」と呼ばれるタイプの細菌で、もともと免疫力が低下している人や傷口がある場合などに症状が出やすくなります。そのため、日常的な接触や同じ道具の使用程度では感染しにくいのが実情です。

とはいえ、ネイルサロンなどで器具の消毒が不十分な場合には、リスクがゼロとは言い切れません。

なぜ爪に緑膿菌が感染するの?主な原因3つ

緑膿菌は湿気や水分を好む性質があるため、爪のまわりが不衛生になったり、ダメージを受けたりすると感染しやすくなります。ここでは、グリーンネイルの発症につながる代表的な原因を3つまとめました。

手入れ不足や不衛生な状態が続いた

日常的な手指の衛生が不十分だと、緑膿菌が繁殖するリスクが高まります。特に、爪の裏側や指先のすき間は汚れが溜まりやすく、湿気もこもりやすい部分です。手を洗ったあとにしっかり乾かさなかったり、入浴後に爪の間に水分が残っていたりすることも、細菌が定着する原因になります。

また、ネイル道具を清潔に保っていなかったり、使用後にきちんと消毒していなかったりすると、そこから緑膿菌が付着する可能性もあります。感染予防には、日々の丁寧なケアが大切です。

爪のトラブル・ネイル前の下処理の甘さ

爪に傷やすき間があると、そこから緑膿菌が侵入しやすくなります。たとえば、ジェルネイルやスカルプチュアを無理に剥がしてしまうと爪の表面が損傷し、細菌が付着しやすい状態になります。

さらに、ネイル前の下処理が不十分なままジェルを塗布すると、人工爪と自爪の間に空気や水分が入り込み、そこが菌の温床となることも。ネイルを始めてから何かしらの違和感や変色を確認できた場合は、下処理や密着工程に問題があった可能性も否定できません。

手汗・PC作業などによる蒸れや接触の蓄積

手汗をかきやすい人や、長時間パソコン作業などで指先に触れる機会が多い人は、知らず知らずのうちに爪まわりが蒸れていることがあります。キーボードやマウスとの接触が続くと、指先に熱がこもり、爪の下が高温多湿な環境になりがちです。

このような状態は、緑膿菌にとって非常に好都合な環境です。加えて、頻繁な手洗いやアルコール消毒で爪のバリア機能が弱まると、より感染しやすくなります。特にオフィスワークや手作業が多い方は、定期的な保湿や清潔な環境づくりが予防の鍵となります。

緑膿菌に感染したらどうすればいい?

爪が緑色に変色していたら、まずは落ち着いて原因を見極めることが大切です。ここでは、医療機関への相談に加えて、市販薬・自然治癒の可能性について紹介します。

皮膚科などの医療機関へ相談する

変色を見つけたら、皮膚科や爪の専門外来などに相談するのが最も確実な対処法です。なぜなら見た目だけで緑膿菌感染なのか、あるいは別の原因による変色なのか区別がつきにくいからです。

緑膿菌による感染が確認された場合には、まず原因となる湿潤環境を改善しながら、抗菌作用のある外用薬を使って対処します。重症の場合には、飲み薬の抗生物質が処方されることもあります。

市販薬・自然治癒の可能性について

軽度であれば清潔を保ち自然治癒することもありますが、白癬菌など別の感染症と見分けが難しいため、自己判断で放置せず早めに医療機関へ相談することが大切です。

少しでも不安がある場合は、迷わず医療機関に相談することをおすすめします。適切な施術を受けることで症状の悪化や長期化を防げます。

緑膿菌感染を防ぐための日常ケアと予防習慣

グリーンネイルを繰り返さないためには感染後の対処だけでなく、日頃からのケアや生活習慣の見直しが欠かせません。ここでは、緑膿菌感染のリスクを減らすために意識したい3つのポイントを紹介します。

爪を清潔に保ち、こまめに保湿する

緑膿菌は湿った環境を好むため、爪のまわりをいつも清潔かつ乾燥した状態に保つことが大切です。手洗い後はしっかりと水分を拭き取り、指先に水気が残らないように注意しましょう。

また、手指の乾燥を放置すると皮膚のバリア機能が低下し、細菌が入り込みやすくなります。保湿クリームやネイルオイルなどで、甘皮や爪の周囲をこまめにケアしましょう。ネイルをしていないときでも、日常的な手指のケアは感染予防に直結する重要な習慣です。

免疫力を下げない生活習慣を心がける

緑膿菌は健康な人にも感染することがありますが、体調を崩して免疫力が下がっていると、より症状が出やすくなります。バランスのとれた食事や質の良い睡眠、適度な運動などを心がけ、体の抵抗力を保つことが、感染予防にもつながります。

また、ストレスや不規則な生活も免疫機能に影響を与えるため、日々のセルフケアを意識することが大切です。爪は体調の変化が現れやすい部位のひとつでもあるため、手指の異変に早めに気づけるよう、普段から爪の状態を観察しておくと予防につながります。

衛生管理が徹底されたネイルサロンを選ぶ

緑膿菌などの細菌感染を防ぐためには、施術を受けるネイルサロンの衛生管理が信頼できるかどうかを見極めることが大切です。器具の消毒が行き届いているか、使用する道具は使い捨てかどうか、施術スペースが清潔に保たれているかなど、細かな点にも注目しましょう。

 

スタッフの手指消毒や手袋の使用なども、衛生意識の高さを判断する手がかりになります。

緑膿菌感染したらネイルはいつ再開できる?

緑膿菌は湿潤環境を好むため、完治していない状態でジェルやスカルプを施すと菌が再び繁殖するリスクが高まります。変色が完全に消え、爪の表面に凹凸や白濁、浮きなどが見られない状態が続いた頃が再開時期の目安です。

また、手の爪は1か月で約3ミリ程度伸びると言われており、爪全体が新しく生え変わるまでにはおよそ4〜6か月かかります。感染が軽度で爪のダメージが小さい場合は1〜2か月で再開できることもありますが、爪の根元まで変色が広がっていると、それ以上の期間が必要になることも少なくありません。

ただし、再開時期は個人差があります。皮膚科や爪の専門外来などの診断を受け、完治が確認されてから再開するのが確実です。

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