前に巻くタイプの巻き爪は「鉤彎爪(爪甲鉤彎症)」かも?原因・治し方・放置リスクを解説!

爪の前方先端が下に向かって曲がっている。爪が分厚くて切れない。このような変形・特徴が見られる場合は「鉤彎爪(こうわんそう)」「爪甲鉤彎症(そうこうこうわんしょう)」を起こしているかもしれません。本記事では、鉤彎爪(爪甲鉤彎症)の特徴や一般的な巻き爪との違いや主な特徴を解説します。放置したときのリスクやその対策についても、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の監修者:
巻き爪フットケア東千田町院 院長 文田 早織(ペディグラス認定メディカルトレーナー、同認定足爪補正士・鍼灸師)
もくじ
爪が“前に巻く”ってどんな状態?
爪の変形にもさまざまな種類があります。前に巻いている状態で悩んでいる場合、どんな症状が考えられるのか。ここでは、一般的な巻き爪との違いも含めて解説します。
一般的な「巻き爪」は左右から巻き込む
巻き爪とは、爪の両端が内側に向かって湾曲し、爪全体が丸く巻いたような状態を指します。爪の左右の端が内側へ巻き込むように湾曲するのが特徴です。
爪の断面がC字型やΩ(オメガ)字型になることが多く、医学的には「弯曲爪(わんきょくそう)」と呼ばれます。
さらに巻き爪が進行して爪の端が皮膚に食い込み、赤みや腫れ、化膿を伴うようになると、「陥入爪(かんにゅうそう)」という別の疾患に該当します。この2つは似て見えますが、原因や治療法が異なるため、正しく見分けることが大切です。
爪先が下に巻くなら「鉤彎爪(爪甲鉤彎症)」かも
爪が前方に伸び、その先端が下へ向かって巻いている場合は、鉤彎爪(爪甲鉤彎症)の可能性があります。左右から巻くタイプとは異なり、変形の方向や進行の仕方に特徴があります。
鉤彎爪(爪甲鉤彎症)とは?
鉤彎爪(爪甲鉤彎症)とは、爪の先端がフックのように下へ曲がる変形性の爪疾患です。特に足の親指に起こりやすく、外見はくちばしや鉤爪のように見えます。また、鉤彎爪(爪甲鉤彎症)は爪が硬く厚くなりやすく、黄ばんだり白濁したりと変色を伴うのも特徴です。場合によっては内出血などの影響で黒く変色するケースもあります。
爪甲鉤彎症になる主な原因5つ
鉤彎爪(爪甲鉤彎症)は複数の要因が重なって発症・進行するケースが多いため、まずはどんな要素がリスクになるのかを整理しておくことが大切です。ここでは代表的な5つの原因について解説します。
伸ばしすぎた爪
足の爪を長いままにしていると、靴の中で常に先端が押され続けます。特に親指の爪は、歩行時に体重がかかりやすく、圧迫されるたびに前へ伸びながら下に巻き込まれていく傾向があります。
さらに高齢者の場合は、視力の低下や体の硬さが原因で、爪を適切な長さに保つことが難しくなりがち。切る機会が減ると爪もだんだんと長くなり、気づかないまま変形が進行しているケースも少なくありません。
加齢に伴う爪の代謝低下
若いころは平らで透明感のあった爪も加齢により厚みを増したり、黄ばんだり、表面が波打つようになってきます。こうした変化は、爪に含まれる水分量やたんぱく質のバランスが崩れることによって起こり、爪の柔軟性が低下している証拠です。硬くなった爪は外部の刺激を吸収できず、少しの圧でも形が崩れやすくなります。
血行不良や基礎疾患の影響
爪の健康には、末端までしっかり血液が届いていることが欠かせません。糖尿病や動脈硬化、慢性腎不全などの基礎疾患があると、爪への栄養供給が不十分になり、爪の成長が不規則になります。
特に冷え性やむくみが強い人、足の先がいつも冷たいと感じる人は、知らないうちに爪の成長サイクルが乱れている可能性があるため注意しましょう。
合わない靴による慢性的な圧迫や摩擦
足に合っていない靴を履いていると、歩くたびに爪の先端に過剰な圧力がかかります。特に、つま先が細い靴・ヒール・安全靴・硬い革靴などは、爪を下に押し込むような力がかかりやすく、爪の成長方向を少しずつ変えていきます。靴を脱いだときに指先が赤くなっている、歩いた後に爪先がジンジンするなどの違和感がある場合は、靴の形状が原因になっているかもしれません。
爪母(爪の根本)の損傷や変形の既往
爪の根本にある「爪母(そうぼ)」は、新しい爪を作り出す重要な器官です。ここに強い衝撃が加わったり、手術や炎症で損傷を受けたりすると、爪が生える方向そのものが歪んでしまうことがあります。
たとえば、若いころに指をドアで強く挟んだ経験や、深爪を繰り返していた過去がある人は、知らないうちに爪母に負担をかけている可能性があります。爪が片側に傾いたり、前に突き出してから下に巻き込んでいたり、異常な形状で伸びてくる場合はフットケアの専門家に相談しましょう。
爪甲鉤彎症を放置するとどうなる?
鉤彎爪(爪甲鉤彎症)を放置すると以下のトラブルを引き起こす恐れがあります。
爪床剥離症になる恐れがある
爪が変形して下方向へ強く湾曲すると、「爪床剥離症(そうしょうはくりしょう)」になるリスクが高まります。爪床剥離症とは爪と下の皮膚(爪床)の密着が徐々に弱まり、爪が浮き上がってくる症状です。
初期段階では「爪の下に隙間ができる」「汚れが溜まりやすい」といった軽い違和感が現れます。しかし、その隙間に汗や角質が入り込むと湿気がこもり細菌が繁殖。嫌なニオイがしたり、かゆみが発生したりと、不快な症状が増えていきます。
さらに症状が進むと爪が真ん中あたりから浮きはじめ、剥がれてくるケースも。この段階では「爪の下に何か挟まっているような不快感」や「動かした瞬間にズキッとする痛み」が生じます。靴を履いて歩くのもつらくなるため、早めの対処が必要です。
指先の皮膚が盛り上がる
爪が下方向へ強く巻き込むと、指先の皮膚が爪に押されて盛り上がってきます。特に靴で押される親指では、爪先部分が次第に腫れてしまうケースがほとんど。症状としては「歩くと親指だけが靴に当たり痛む」「指先が赤く硬くなってきた」などが挙げられます。
悪化すると、爪切りやハサミが爪の裏側に入らなくなり、自宅でのセルフケアが難しくなるのも特徴です。このようなトラブルに気づいた場合は、速やかに専門の医療機関へ相談しましょう。
爪の見た目や生え方が変わる
変形した状態を長期間放置していると、爪の成長軌道そのものが変わってしまいます。はじめは巻いているだけの爪がいつの間にか分厚くなり、黄色から茶色に変色。表面は凸凹になり、根元からうねった形で伸びてきます。
爪甲鉤彎症はどうすれば改善できる?
鉤彎爪(爪甲鉤彎症)が自然に改善することはまれです。市販の巻き爪グッズや自己流のケアでは、かえって悪化させることもあります。特に爪が厚く硬くなっている場合は、自己処理せず専門家の判断を仰ぐことをおすすめします。
広島周辺で「爪が前に巻いている」とお悩みの方はセラピストプラネットへお気軽にご相談ください。
セラピストプラネットでは、巻き爪施術をはじめとする専門資格を持った先生が各院に在籍しています。
もし現在、広島周辺で爪が前に巻いてお悩みの方はセラピストプラネットにお気軽にご相談ください!